この記事では、建築CAD検定准1級を独学で受験し合格した体験談をまとめています。
通信制大学で建築を学ぶ社会人学生です。
CADオペレーターとして働きながら、育児と勉強の両立に奮闘しています。
資格取得は5年以上前ですが、改めて確認しても、准1級の体験談はネット上にほとんど見つかりません。
そこで当時の自分の記録を元に、現時点での気づきや補足も交えつつ、まとめ直しました。
長い記事になりましたが、どうぞお付き合いください。
これから准1級に挑戦する人の参考になれば幸いです。
建築CAD検定准1級とは
基本情報
建築CAD検定は、建築図面の知識とCAD操作力の両方が問われる実技試験です。
今のところ1級は存在しないため、准1級が最高級です。
- 実施時期:年1回、10月
- 受験料:15,500円
- 試験時間:4時間10分
- 作図枚数:4枚(平面図・断面図・梁伏図など)
- 使用ソフト:汎用CAD(AutoCAD、Jw_cadなど)
准1級を個人で受験できるチャンスは、年に一度。
10月の試験に向けて頑張りましょう。
過去の合格率と難易度
准1級は毎年50人前後が受験し、合格率は年によってバラバラ。
直近の推移は以下の通りです。
年度 | 准1級の合格率 |
---|---|
2024年度 | 19.2% |
2023年度 | 7.1% |
2022年度 | 12.5% |
2021年度 | 14.1% |
2020年度 | 2.0% |
合格者0人の年もあれば、10人以上受かる年もあります。
2級よりも明らかに難易度は高く、しっかりとした準備と対策が必要です。
独学でも受かる?2級との違い
准1級試験は、図面の「トレース」をする試験です。
与えられた図面を、そのままCAD上にコピーできれば合格です。
2級試験は、平面図から立面図を描きおこす問題でした。
立体を頭の中で組み立てるのに苦労した人も多いと思います。
両方受けた感想は、頭を使うのは准1級よりも2級だなと思いました。
准1級は頭よりも手を動かす速さが求められます。
- 2級試験 ⇒ 与えられた平面図から立面図を描く
- 准1級試験 ⇒ 与えられた図面をトレースする
試験当日の流れ
ざっくりとした流れは、受験票に書いてあります。
- 会場に到着
- PCや周辺機器の準備
- 注意事項の説明
- PCの環境設定(会場PCの場合)
- 試験問題の読み取り
- 作図開始
- 試験終了
会場到着から受付まで
会場に着いたら、まずは入り口で受付をします。
30分前に到着しましたが、既に8割くらいの席は埋まっていました。
PCを持ち込んだ場合、この時間で電源コードを繋いだり、マウスやキーボードをセットしたりします。
用意ができたら、あとはひたすら待つだけ。
参考書(公式ガイドブック)や自分でまとめたノートがあると、時間つぶし&最後の追い込み&不安解消になるかと思います。
試験の前の準備時間
試験開始の少し前に、試験官から受験票の確認や注意事項説明などがありました。
会場によると思いますが、「トイレ休憩は勝手にとって良い」とか、「終了5分前になったら声を掛けます」とか、いろいろ説明されます。
その後、会場PCの人向けに、CADの環境設定をする時間がありました。
持込みPCの人は特にやることはありません。
試験開始
試験問題が配られ、30分間の読み取り時間が始まります。
読み取り時間中は、PCには触れません。
図面をあちこち測ったり、コピペできる部分を考えながら、図面に書き込んでいきました。
この時間の使い方が、合格できるかどうかの分かれ道になるかもしれません。
CAD作図よりも、読み取り時間のほうが頭を使った気がします。
その後CADが使えるようになり、あとは時間との勝負。
ひたすら手を動かしましょう。
作成図面はUSBに保存し、提出したら終了です。
試験中の注意点
水分補給のタイミング
試験終了時間後、私はまず水を飲みました。
ペットボトルを開けて水を飲む時間が惜しいくらい、ぎりぎりだったのです。
トイレ問題
一番困ったのは、「試験中にトイレに行けなかったこと」です。
禁止はされていません。休憩はいつ取ってもOK。
ただ、時間がありません。
数分のトイレ離脱ですら惜しい。それくらい必死でした。
同じ空間には受験生が10人ほどいましたが、途中離席してる人は一人もいませんでした。
試験で使った持ち物リスト
以下は私が実際に持ち込んだものです。
持ち物はなるべく少なくしました。
机が狭かったので、正解だったと思っています。
- ノートPC
- マウス
- マーカー
- 三角スケール
- 4色フリクション
- 手順を書きこんだ公式ガイドブック
この6点があれば、試験中困ることはありませんでした。
あ、受験票もお忘れなく。
1.ノートPC
これからPCを用意するなら、絶対に画面サイズが大きいものを選びましょう。
私は15.6インチのものを使いました。
最低このサイズがないと、図面を書いていてストレスになると思います。
周りを見渡しても、この大きさくらいのPCを使っていました。
受験した教室の机はあまり広くなかったので、外付けキーボードを使うと図面を置く場所がなさそうでした。
2.マウス
個人的には有線マウスが好きですが、普段から使い慣れているものが良いと思います。
会場のPCを使う人も、マウスとテンキーだけは持ち込んでいたようでした。
いきなり壊れることがあるので、心配な人はマウスの予備があると良いかもしれません。
3.マーカー
准1級の試験では、作図前の30分、図面を読み取る時間が与えられています。
図面を読むとき、マーカーが1本あると便利です。
主に、平面図の柱を塗るときに使用しました。
時短のためには、見やすさが大事。
個人的にはフリクションとかぶらない色、例えば蛍光イエローとかがおすすめです。
4.三角スケール
恥ずかしながら、CADオペになって2年くらい三角スケールの存在を知りませんでした。
こんなのです。
試験では1/200の図面を読みとるので、三角スケールがあると時短になります。
30cm等大型のものもありますが、15cmの小さいもので十分でした。
5.4色フリクション
赤・青・緑・黒の4色フリクションを、図面の読み取りに使用しました。
寸法や文字をひたすら書くので、持ちやすいものを。
個人的には4本のペンを持ちかえるより、1本で色変えしたほうが速いです。
6.手順を書きこんだ公式ガイドブック
公式ガイドブックは、独学者にとって唯一の手がかりと言ってもいいような存在です。
余白に自分なりの手順や気を付けるところを書き込みました。
実際は(時間がなくて)一度も開くことはありませんでしたが、お守り代わりに持ち込むと安心です。
まとめ
准1級は独学でも合格できます!
試験は時間との闘いです。
当日の持ち物は最低限にしましょう。
秒単位で時短を目指すのが合格への道です。
私は、試験直前には狂ったように「准一級 合格」と検索しまくっていました。
これから受けようとする人の安心に繋がれば幸いです。
建築CAD検定准1級について、独学受験に役立つ情報をまとめています。
試験当日の流れから、勉強法や取得後の活かし方まで、体験をもとに具体的に解説していますので、ぜひシリーズで読んでみてください。