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建築CAD検定准1級 独学挑戦の記録:合格ライン・時短テク・取得後の活かし方

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建築CAD検定准1級に独学合格②

 

この記事では、建築CAD検定准1級を独学で受験し合格した体験談をまとめています。

 

通信制大学で建築を学ぶ社会人学生です。

CADオペレーターとして働きながら、育児と勉強の両立に奮闘しています。

 

資格取得は5年以上前ですが、改めて確認しても、准1級の体験談はネット上にほとんど見つかりません

そこで当時の自分の記録を元に、現時点での気づきや補足も交えつつ、まとめ直しました。

 

長い記事になりましたが、どうぞお付き合いください。

これから准1級に挑戦する人の参考になれば幸いです。

 

 

 

建築CAD検定准1級の合格ライン

公式発表の採点基準

受験生にとっては、合格ラインはとても気になるポイントですよね。

公式発表の合格ラインは、非常に厳しい基準になっています。

 

ほぼ完璧に図面を描かなければ合格しません。時間不足で描けないところが少しでもあれば不合格です。(中略)

「不注意による少量のミス」は容認する(中略)

ミスの量が少量か多量かは合格判定者の判断によります。

公式ガイドブックより引用。

 

図面が完成していなければ不合格。

というか、そもそも採点してもらえません。

 

実際の体験談:どこまでミスしても合格できたか?

基本的には「100%トレースできたら合格」ですが、「不注意による少量のミス」は容認される場合ありとのこと。

 

私自身、試験会場を出た瞬間に思い出したミスが2つあります。

 

  • 浴槽を1つ書き忘れた
  • 壁とロッカーに不自然な隙間ができてた

 

なぜか試験中はほかの部分に気を取られて目に入っていないのに、終わった瞬間に思い出すんですよね。

 

これくらいのミスなら、ケアレスミスと判断してもらえたようです。

あくまでも私個人の体験ですが、「完璧」にとらわれすぎず、図面をすべて埋めることを目指しましょう。

 

試験終了前に必ず見直すポイントまとめ

優先順位①:名前・題名・ファイル名

試験終了直前に、時間がなくても必ず確認するべきポイントです。

 

✔ 題名
✔ 自分の名前
✔ 提出用のファイル名
 

図面を仕上げることに一生懸命で、意外とおろそかにしがちな部分です。

それでいて間違うとダメージの大きい箇所ですよね。

 

優先順位②:自作のチェックリスト

練習しながら、忘れやすい箇所をメモしてチェックリストにしておきました。

 

✔  文字の書き忘れ
✔  寸法線のズレ
✔  バルコニー・屋根・隔て板の忘れ
✔  家具や小物の数
✔  断面図の梁の位置

 

当日もメモを見ながら確認するつもりでしたが、残念ながら時間が全然なく見直しはできませんでした。

 

見直し時の心構え

ゆっくり考えれば当たり前にできることでも、何故か本番では焦ってミスしてしまいますよね。

あらかじめ時間が余ったとき何を見直すか決めておくと、時短になります。

 

POINT
  • 他人の答案を見るつもりで、間違い探しをする
  • 「絶対にひとつはミスがある」と思って見る
  • 手を止めるのが怖くても、数分は見直しに使う

 

独学者向け 時短テクニック集

准1級の試験では、2時間半で4枚の図面を描かなければなりません。

 

仕事では気に留めないくらいの些細な時短ですが、試験の限られた時間内では1分1秒が明暗を分けることも。

 

建築士の製図試験対策を紹介しているブログや動画が、とても参考になりました。

 

手書きとCAD、設計とトレースの違いはあれど、同じような図面を描きます。

CAD製図にも応用できそうなものを探しました。

 

ショートカットを使う

基本の時短テクニックですね。

CADの入門テキストでも推奨されていますし、建築CAD検定の公式ガイドブックでも触れられています。

 

左手でコマンド入力、右手はマウスを離さない

 

JW_cadでもAutocadでも基本は同じです。

 

コピペをフル活用

すべての線を引いていたら、とても間に合いません。

公式ガイドブックでも触れられています。

 

部品単位でコピーし、位置や寸法が多少違ってもストレッチコマンドで調整しました。

 

コピペできる部品の例
  • 大きさの違う窓
  • 椅子とソファー
  • 個数の違うトイレ

 

文字の単語登録

持込みPCの人は、良く出てくる単語を登録しておくと時短になります。

地味ですが確実に時短になり、変換ミスによるストレスを減らしてくれます。

 

私は過去問に出てきた語句はひととおり登録しました。

 

単語登録の例
  • 風除室・倉庫など室名
  • 道路境界線・駐車場入り口など外構
  • 受験番号(受験票で事前に分かる)
  • 自分の名前

 

得意を伸ばす考え方

苦手克服でも良いのですが、得意を伸ばしたほうが効果を感じやすいです。

勉強していて楽しいですしね。

 

私はの苦手は、図面を読み取るのが遅いことです。

「まだ経験が浅いから仕方ない」と割りきり、そこは長期で克服することにして……

 

得意だった文字入力の時短に注力しました。

 

どのタイミングで文字を記入するべきか?

ひとつひとつ打ってくのではなく、まとめて打ってから移動させたほうが早いのでは?

などと色々試しました。

 

おかげで、試験直前は勉強を始めた当初よりも2/3ほどの時間で文字を記入できるようになっていました。

 

【参考】不安なときは運営に問い合わせで解決

独学だと「これをやっていいのか?」と迷う場面も多いと思います。

そんな時は迷わず、運営に問い合わせましょう。

 

勉強を始めたときは別アプリで文字を一気に入力→CADにコピペしという方法をとっていました。

 

ふと不安になり問い合わせたところ「CAD以外のアプリ・ソフトは使用不可です」と教えてもらいました。

別アプリを開いた時点で失格です。

 

細かいことでも自己判断せず、確認しましょう。

次の日には返信が来ましたし、とても丁寧に対応してくれます。

問い合わせ先は受験票に載っています。

 

FAQ

独学でも本当に合格できる?

はい。

公式ガイドブックと過去問、練習環境さえ整えれば、独学でも十分合格できます。

 

持ち込みPCと会場PC、どちらを選ぶべき?

建築CAD検定准1級では「自分のPCを持ち込む」か「会場PCを使う」かを選択できます。

 

独学で練習を重ねてきた場合は、持ち込みPCの方が安心です。

私は持ち込みました。

 

ただ、会場にいた6割ほどは会場PCを使っていて驚きました。

それぞれのメリット・デメリットを整理しておきます。

 

持ち込みPCのメリット・デメリット
持ち込みPCのメリット
  • 練習と同じ環境で作業できる
  • 文字の単語登録やショートカット設定が活用できる
  • 試験当日に設定し直さなくてもいいので安心
持ち込みPCのデメリット
  • ノートPC本体+電源コード+マウスなど荷物が増える
  • ディスプレイやキーボードは自前(会場で貸してくれない)
  • CAD以外のアプリ(メモ帳など)は使用禁止。設定要注意

 

会場PCのメリット・デメリット
会場PCのメリット
  • PCを持ち歩く必要がない
  • 機材トラブル時も試験側が対応してくれる
会場PCのデメリット
  • 環境が不慣れで操作ミスのリスク
  • 単語登録やショートカット設定がリセットされていることが多い
  • 印刷設定などを事前に整える必要がある

 

どのCADソフトが使われている?

当日の肌感ですが、AutoCADが圧倒的に多かったです。

次点でJw_cad

 

私はJw_cadで受験しました。

好きなソフトを選べるので、普段使い慣れたソフトで練習しておくと安心です。

 

試験当日までに最低限やるべきことは?

  • 公式ガイドブックを熟読
  • 過去問を繰り返し練習
  • 印刷設定やショートカット設定
  • 持ち物リストの確認

 

詳しい持ち物や準備方法は、記事最後にある関連記事をご覧ください。

 

建築CAD検定准1級を取ったあとのキャリア

資格は実務に活かせる?

実感としては、資格を持っていても実務には大きな影響はありません。

どの業界でもそうですが、実務経験が最優先です。

 

建築士や施工管理技士を持っていれば別かもしれませんが、建築CAD検定准1級は「ないよりはプラス」くらいの位置づけです。

 

私自身は「何もない自分に自信をつけたい」という思いで資格取得に挑みました。

経験だけでは語れない部分も、資格を裏付けに堂々とアピールできる場面はあります。

 

CADオペレーターに求められるスキルとは

以前、現場の方に「CADオペレーターは清書屋」と言われたことがあります。

 

  • スケッチから正確な図面を描く
  • 口頭指示を正しく読み取る
  • 建築の基礎知識
  • コミュニケーション

 

実際の建物をイメージしながら、素早くきれいな図面を仕上げる力が求められます。

 

独学者必携!公式ガイドブック

独学で受験するなら、『建築CAD検定試験公式ガイドブック』は必ず用意しておきましょう。

過去問・採点基準・作図ルールまで網羅されています。

 

 

まとめ

建築CAD検定准1級の最大の敵は「時間」です

完璧な図面を目指しつつ、でも少しのミスは気にしすぎず、冷静に最後までやりきることが大切

 

私は、試験直前には狂ったように「准一級 合格」と検索しまくっていました。

これから受けようとする人の安心に繋がれば幸いです。

 

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建築CAD検定准1級について、独学受験に役立つ情報をまとめています。

試験当日の流れから、勉強法や取得後の活かし方まで、体験をもとに具体的に解説していますので、ぜひシリーズで読んでみてください。